手の痛みと手根管症候群

手の痛みと手根管症候群について

 手の痛みやしびれなどの不快な症状は、一度感じるようになると本当にしつこく感じることでしょう。

 私も手を使う仕事なので注意はしているのですが、仕事で手が疲れているのにジッと座ってマウスを片手
にネットサーフィンをしていると時間が経つのも忘れて、腕から指まで疲労状態になっていることがあります。

ここでは、よくある手の痛みしびれを起こす手根管症候群について簡単に説明しようと思います。英語では、Carpal tunnel syndrome と言われ、手根(骨)のトンネルの症候群と呼ばれてます。

手首の手根骨と横手根靭帯(屈筋支帯)に囲まれたトンネルの中で正中神経が圧迫されて起こる、しびれや痛みなどの症状のことです。

下の手のイラストを見るとなんとなく手首のトンネルのイメージがしやすいと思います。

トンネルの中を1本の正中神経と9本の腱が通り抜けています。9本の腱とは、指を曲げるときに動かす筋肉が腕から伸びていき、手首のところで細くなった部分のことです。
 手首のこんな細いところに9本も筋肉の腱が通っているなんて、普段はあまり考えませんよね。このトンネルは、伸縮性がないので、1本の正中神経が圧迫を受けやすくなるようです。

アメリカでは、職業性の反復作業労働者に多いと言われ、仕事やスポーツなどで手を使いすぎたときに症状が現れるようです。

また、特発性(原因不明)のものが多く、妊娠や出産期や更年期の女性に多く発症するのも手根管症候群の特徴です。

男性よりも女性がなることが多い症状で、手首が細いのとホルモンの乱れなどが関係しているとも言われてます。

それでは、筋肉と筋膜の状態から手の症状を考えてみましょう。

腕の肘から下の内側には、前腕屈筋群という複数の筋肉があります。それらは、協調してはたらき複雑な手指の動きを行っています。

 左図に描かれた赤い部分が前腕屈筋群で、黄色の点線が正中神経で筋肉の中を走行しています。水色の部分は、横手根靭帯(屈筋支帯)になります。

正中神経が圧迫を受ける部分は、横手根靭帯の下にあるトンネルの中(手根管)になります。

赤色の筋肉の束も腱になり手根管を通って指まで伸びて行くので、筋肉の緊張も正中神経を圧迫する原因になってしまいます。

筋肉が緊張して硬くなると前腕部を包んでいる筋膜の内側も窮屈になり、2本ある骨の動きもスムーズに行われなくなり、手首の動きも悪くなります。

症状を予防するには、使いすぎている場合は安静にして、まず疲れている筋肉を休めます。そして、手から肘までを温めるのも良いです。簡単な方法は、こちらのページ→ 足湯と肘湯について

最後に緊張した前腕部分の筋肉をマッサージしてください。弾力が付いてきたら手の平から指までほぐして、手首を掴んで伸ばすように動かします。

マッサージは、自分でやると反対の手が疲れるので、できれば誰か他の人にやってもらった方が良いと思います。

手根管症候群は、酷くなると手術も必要は症状なので、気になる方は軽いうちにケアすることを勧めます。

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