首凝りと筋肉の緊張について

首凝りと筋肉の緊張について

 首こりと筋肉の緊張を考えるときに、一番関係してくるのが姿勢の問題なので、はじめに頭のバランスと首の筋肉の緊張について考えてみたいと思います。

よく頭の重さは、ボーリングのボールぐらいだと言われることがありますが、普通はそんなことを気にしないで生活をしていますよね。

右図は、頭部をボールのイメージで木の棒状の首の骨に乗っかってバランスを取っていると仮定した図です。赤色の点線が筋肉をイメージしています。

ボールが棒に乗っかってバランスが取れていれば、赤線はリラックスして弛んでますが、左側にバランスを崩したらギーッと引っ張られて伸びるでしょう。

模型での仮定は終わりにして、姿勢と首の筋肉の緊張について考えてみましょう。

左図は、頭を傾けた状態を横から見たとイメージした図です。

赤線が筋肉と仮定しているので、頭が傾くと筋肉は引っ張られて緊張した状態になってしまいます。

長時間に及ぶ頭を傾けた姿勢は、筋肉の慢性的な緊張を起こさせてしまいます。緊張状態が続くと、筋肉に疲労物質が蓄積してしまい収縮力が低下して、痛みや違和感を発生させてしまいます。

このような状態が日常的になると、首こりが慢性的になってしまいます。
眼精疲労などが合わさると、後頭部の筋肉にコリが発生して、肩こりもあると首の根元の部分にコリが蓄積されてしまいます。

首こりで厄介なのは、首の筋肉が多重構造になっているので表面だけマッサージしても深いところがスッキリしない場合があることです。

右図は、首の後ろ側の筋肉の状態を簡単に描いてみました。

黒の点線が首の骨とすると、水色の部分の筋肉が頸棘筋と言われる深部の筋肉で、黄色の部分が頭半棘筋と言われ、赤色が頭板状筋で一番表面の緑色の筋肉が僧帽筋です。

普段気にもしてませんが、首の筋肉はしっかりとした構造になっていることが分かると思います。

肩こりで問題になる筋肉は、肩から首を覆っている表面部分の僧帽筋なりますが、首こりで問題になってくるのは、僧帽筋の下側にある頭板状筋になります。

左図は、頭板状筋を簡単に描いてみました。

丁度、肩首の付け根からV字状に頭の付け根に伸びていることが分かると思います。

根元部分は、僧帽筋に隠れているので、解剖図じゃないとこんなにはっきり見ることは出来ませんが、上図を見てから右図を見ると赤色の部分かなと思えますよね。

筋肉は筋膜で包まれているので、多重構造になった筋肉群の中で頭板状筋が緊張したとすると、上層と下層の筋肉との間で筋膜の滑りがスムーズに行われなくなってしまいます。

この状態が続くと首の筋肉の動きが悪くなってしまい、顔頭を動かした時に首の筋肉に痛みや違和感を発生させてしまいます。

頭板状筋にできたトリガーポイントは、緊張型頭痛の原因にもなってしまいます。

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