顎の痛みと顎関節症について

 顎の痛みや不快感は、筋筋膜痛症候群でよく起こる症状のひとつなので簡単に解説してみたいと思います。

日本顎関節学会では、顎関節症を4つのタイプに分類しております。Ⅰ型は筋肉の障害で起こるタイプ、Ⅱ型は関節包・靭帯の障害により、Ⅲ型は関節円板の障害、Ⅳ型は変形性関節症によって起こるタイプに分類されています。

ここでは、筋筋膜痛症候群で起きる、筋肉の障害で起こるタイプについて考えていきたいと思います。

トリーガーポイントによって起きる筋筋膜痛では、側頭部や顔面部にある咀嚼筋の緊張によって顎周りに痛みを発生させてしまいます。

 いきなり咀嚼筋と言われても専門家じゃないと分からない人が多いと思うので、簡単に説明いたします。

咀嚼筋とは、食べ物を噛むときに使う筋肉で、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4種類の筋肉があります。

左図では、頭の横にから伸びている側頭筋とアゴの横に付いている咬筋が描かれています。食べ物を食べてる時は、頭の横の筋肉が動いているなんて考えませんが、解剖図を見るとかなり大きな筋肉であることが分かります。

これらの4種類の筋肉は、左右あるので片方が緊張して少し短縮するだけで、アゴのバランスが崩れてしまいます。

 

簡単に言うとアゴは、頭にぶら下がっているだけだからです。

そういう言い方をすると嘘っぽく聞こえるけど、構造学的には下顎の骨は、耳の前側にある顎関節を支点に上からぶら下がっているだけです。

複雑に説明するとかえって分かりづらくなると思うので、左の写真に写っている模型の側面部分の穴が先ほど説明した、側頭筋が伸びていき下顎の骨に付着するために通り抜ける穴です。

穴を構成している骨は、側頭骨(赤)と頬骨(ピンク)です。黄色い部分は、蝶形骨になります。咬筋は、穴の外側のフレーム部分より下顎の外側に伸びています。

側翼突筋、内側翼突筋は、小さい筋肉でアゴを前方に移動させたり、左右に動かし食べ物をすりつぶしたりする働きがあります。

これら4つの筋肉が左右同時に動いて、食べ物を噛む働きを行っています。片側の歯で噛む癖が付いていると筋肉の発達の関係で、顔が歪んでしまう場合があります。

片噛みは顎の痛みの発生原因にもなります。また、身体の歪みが関係して顎が痛くなるときもあります。

右図は、首肩の筋肉が緊張して頭部が歪んでいる状態を少しオーバーに描いたものです。頭部が傾くと重力の関係で、顎は左右非対称に動きます。

頭部のバランスが崩れると、片側は動きが良くて、反対側が筋肉が緊張してだんだん動きが悪くなります。

先ほど説明したように、下顎は頭にぶら下がっているために起きる症状です。筋肉が正常なら、弾力があって伸び縮みもスムーズに行えますが、バランスが崩れて機能不全が起こると弾力が無くなり、硬くなって痛みを発生させてしまいます。

筋筋膜痛になって痛みが長引くと痛いからあまり大きな動きをしなくなり、その結果、筋肉や筋膜が硬くなりますます動きが悪くなって、悪循環を繰り返してしまいます。

顎に痛みや違和感がある場合は、顎の歪みを整えると共に、ここでは説明できませんでしたが、頭部を支えている背骨の首と腰の部分のバランスを整えることが、症状を解消するためには重要です。

頭は背骨の上に乗って支えられ、顎は頭にぶら下がっているからです。何事もバランスが重要ですね。そして、顎周りの筋肉はストレスでも硬くなるので注意してください。