マッスルエナジーテクニックと操体法の筋肉に対しての操作の違い

 アメリカ生まれのマッスルエナジーテクニック(MET)と日本生まれの操体法の筋肉に対しての操作方法を考えてみたいと思います。

整体や手技療法をやっている人や興味がある人の中には、METと操体法は共に筋肉に対しての手技療法なので、なんか似ているんじゃないかと考える人が多いと思います。

私も以前からなんか似ているなと考えていました。でも、どう違うのかうまく説明する言葉とイラストが想い付かなかったので、説明を省略して効果のみを追及していました。

ところが患者さんの首の筋肉を緩める手技をするのに、METと操体法のどちらの手技が効果があるかなと考えたときに簡単なイラストを想い付きました。

それでは、シンプルな模型図でMETと操体法の手技の説明をいたします。

 左図は、治療ベッドに寝ているところを頭上から見たと仮定した図です。
*天井からぶら下がっている図ではありません。

左側の図の向かって右側の筋肉に緊張があり伸びないと仮定します。

右側の図は、可動範囲を示した図です。左側屈に制限が出ています。

◇ METの操作方法を簡単に示した図

METでは、筋肉の伸張制限(バリア)の手前で筋肉の収縮を行います。

筋収縮の仕方は、等尺性の収縮なので筋肉の長さが収縮中に変わらないようにします。

この図では、頭に抵抗をかけて肩の方を動かないように固定しています。

約7秒間収縮を続けると神経反射が起こり、収縮した筋肉は収縮後のリラクセーション効果が起こります。

*ここで、説明しているMETは姿勢筋などの大きな筋肉に対して行うテクニックで、関節のアライメントを調べて整えるMETとは、検査法や収縮時間が異なります。

◇ 操体法の操作方法を簡単に示した図

操体法では、快方向の動きの極限で抵抗をかけて筋肉に収縮を行わせます。

手足頭などのカラダの先になる部分の動きに抵抗をかけるのでカラダに連動が自然に起こります。
*この図では、連動を省略しています。

約3~5秒間の収縮の後に瞬間脱力を行います。全身で脱力を行うので全体の神経系を通して、収縮後のリラクセーション効果が起こると思われます。

◆ まとめ

 マッスルエナジーテクニックと操体法の操作の違いを簡単にまとめてみます。

METは、西洋の手技なので部分的(部位別)に筋肉を扱います。不良姿勢に関連した短縮した筋肉を見つけ、パズル式にカラダを整えます。

1種類の筋肉を同じ長さ(等尺性)で収縮させるには、筋肉の起始と停止と作用を覚える必要があります。筋肉を部位別にテクニックの型として覚えることも1つの方法ですが、やはり理解して操作した方が効果的です。

 神経反射については、こちらのページで説明しています。

 筋肉の連動についての説明は、こちらのページになります。

操体法は、東洋の手技なので全体的にカラダを扱います。故橋本敬三医師も「鹿を追う者、山を見ず」と著書で言われていたとおりカラダ全身の運動系の連鎖に注目していたようです。

操体法は、もともと正体術より発展したので、筋肉の収縮後に瞬間脱力を行っていたようですが、受者が気持ちの良い収縮の長さで脱力をしても効果があるようです。(神経反射的に考えれば分かることですが)

この頃の操体法も進化をしているようなので、私が習ったころと違って動きの方向を決めるのも二者択一式ではなくなっているようです。

このページでは、解かりやすくするのに伸びないから縮める式(快方向)で説明しました。

以上、METと操体法について簡単に説明してみましたが、結論としてどちらの方法を行うのにも、筋肉の仕組みと作用を良く理解していた方が手技の効果が上がると思います。

*上記の説明は、筋肉的に見たMETと操体法の操作法の違いを簡単に述べたもので、関節運動などの要素は省略しております。