筋筋膜に対しての手技について考える

 この頃、世の中には手技による治療法やボディワーク、リラクゼーションなどの種類が大分増えたように思います。
骨格の矯正を除いて考えても、筋肉や筋膜などの軟部組織に対しての刺激の仕方や、それらのコンセプトの名称もいろいろ分かれてきて細かくなったみたいです。

でも、いろんなやり方(名称)が増えると、どれが本当に良いのか、どの方法が自分に合っているのか、わからなくなってしまうということもありますよね。

 このサイトでも筋膜リリースを紹介しているし、治療関係の本もかなり紹介しているので、自分でも他人を迷わせているのかなと思ったりもしています。

そこで、筋肉と筋膜に対しての手技(筋膜リリース)について、一度立ち止まって考えてみようと思いました。

筋膜リリースという手技の方法(名称)も、調べてみると3つの分野で行われています。一つは、オステオパシーで行われていて、あとの2つは理学療法とロルフィング系のボディワークで行われています。

それぞれ、少しづつ違ったアプローチの仕方のようです。
オステオパシーでは、直接法と間接法に分かれていたり、理学療法でも軟部組織モビライゼーションと一緒になって筋膜マニュピュレーションとなっている場合もあります。

ロルフィング系の方法は、軟部組織モビライゼーションのテクニックに似ているように思います。専門書には、「深部組織に対し圧迫伸展刺激を施すことで腱を解きほぐし、筋膜組織を進展する」とありました。

◆ 手技について考える前に筋肉と筋膜の関係について見てみましょう。

 左図のイラストは、人間の足の切り身と仮定してください。ちょっと形が悪いけど・・・。

大腿部の切り口を見ると、骨の周りに筋肉があり、その周りに脂肪層と皮膚が見えます。

骨以外の軟らかい組織のことを軟部組織と専門的に言います。その軟部組織の中に筋肉があり、その筋肉を包んでいるのが筋膜という線維性の膜です。

筋肉の仕組みのページで説明しましたが、筋肉は筋膜で包まれた筋線維が束になって出来ています。

筋筋膜の手技について考えるのに、見やすいように大腿部を点線の部分で切り、骨を取って平らに伸ばしてみたいと思います。

◆ 筋肉と筋膜をセットと考え、筋筋膜の手技について考えてみましょう。

 左図は、上記の筋肉の切り身を説明のために平らに伸ばしたと仮定してください。

皮膚の上から、何層にも重なった筋筋膜の深部に刺激を伝えるのには、シッカリとした垂直圧が必要になります。

すぐに圧力を弱めてしまっては、筋筋膜の緊張や癒着をリリース(解放)することは出来ません。

深部に浸透するシッカリとして圧をゆっくり加えながら(筋筋膜の制限部分に到達したら)、リリース対象方向にゆっくりと伸ばします。

そして、指先にリリースを感じたら指を離します。

 この方法は、すごくシンプルな筋膜リリースのやり方です。
通常の筋膜リリースのテクニックは、圧迫と牽引とツイストが主になっていて、本を見ても大きなテクニックが多いように感じますが3分野の筋膜リリースの手技を比較研究した結果、シンプルな方法でも効果があることに気づきました。

 アメリカでは、患者さんに服を脱いでもらい直接皮膚の上から手技を行なうので、ロルフィング系の平行圧や軟部組織モビライゼーションのストローキングによる手技もやり易いのですが、日本の現状からして上記の手技は特別な場合以外、行ないずらいと思います。

そこで、試したのが上図の手技です。ゆっくり押しながら筋筋膜を伸ばす(マイクロストレッチ)方法です。深部のスジを対象にして伸ばすので、服の上からでも効果を出すことが出来ます。

見た目は、指圧に似ていますがマイクロストレッチを行ない、筋筋膜の緊張や癒着をリリースすることが目的ので、指圧とは違ったアプローチになります。

この方法の応用として、広い範囲に効果を出すのに両手を使った方法や肘を使って行う方法もあります。

*上図の手技は、広義で筋膜リリースであり、軟部組織モビライゼーションとも言えます。指圧やマッサージが反復刺激であるのに対して、この手技は単一刺激で行います。