筋肉的に見た、操体法の解説 

 カラダの歪みを整えるのに役に立つやり方で操体法というのがあります。ご存知の方もおられると思いますが操体法は、故橋本敬三医師が正体術を元に創始した治療法です。

操体法の特徴は、動診という診断法をもとにして整復方向を決めて、カラダを動かしその動きに抵抗を与えて、瞬間的に脱力を行うことによってカラダの歪みを整えます。

 ここでは、筋肉の連動ということについて考えてみたいと思います。
下図は、3つの関節と筋肉を簡単に表した模型図です。この図を見ながら筋肉の連動について説明します。

 左図は、3つの関節を筋肉がまたいでつながっている状態を簡単に示した図です。(静止状態)

そして、真中の図は、片方の筋肉(赤色)が収縮して3つの関節をまたいでいる筋肉が互い違いに収縮した状態です。(連動状態)

もし、同側の筋肉が収縮した場合は、ヘビのように丸まって縮んでしまうと思います。ここでは、見やすいようにグニャグニャにしました。真中の図のように、動きの先端に抵抗をかけると筋肉は、連鎖的に収縮していきます。(操体法のやり方)

ところが、マッスルエナジーテクニックという西洋の治療法は、目的の筋肉だけ収縮するように1つの関節で動きを止めてしまいます。

この方が部分的に筋肉を治療するには、効果があるからです。操体法のように連動を導いていくやり方は、全体的にカラダを整えるのに効果があります。モノゴトを突き詰めて見る西洋と全体の調和を尊重する東洋の考え方の違いですね。

 左図は、操体法の代表的な手技を2つ筋肉的にわかるようにイラストにしてみました。

上の図は、ヒカガミというヒザ裏下側の筋肉のコリを緩める方法です。ヒザ裏のコリを見つけたら、足先を上げる動きに対して抵抗をします。これは、スネの前側の筋肉を収縮することによって、後側の筋肉の緊張を緩める方法です。

主動筋(赤色)が収縮すると、反対側の拮抗筋(青色)が相反抑制作用によってリラックスします。そして、瞬間脱力をすることによって筋肉と骨格のバランスが整います。

下図は、ヒザ倒しという操体法です。これは、仰向けの状態でヒザを左右に倒したときに左右差を感じるときに行います。

操体法では、動きにくい方向に動かすのではなく、動きやすい快方向の動きに対して抵抗を与えます。
ヒザから腰にかけて連動がうまくいくと脱力したときに腰の歪が整い腰周りがスッキリした状態になります。

 以上、簡単な説明になりましたが、筋肉の収縮作用を利用してカラダの歪みを整えることを知っているとすごく便利で役に立ちます。

上図の模型図にある連動させたモノと、連動させないモノを使い分けられるようになるとカラダ(筋肉)の歪みを整えるのがすごく楽しくなります。

連動させたやり方は、操体法といわれる療法で、連動させないやり方は、マッスルエナジーテクニックという手技です。

どちらかが優れているというのではなく、簡単な例えで言えば東洋生まれの箸と西洋生まれのフォークのように料理を食べる人が使い分けられると便利だということです。操体法は、東洋的な全体観を主体にして歪みを整え、マッスルエナジーテクニックは、西洋的な部分観をもとにして関節可動制限などの治療を行います。

操体法は、簡単そうに見えて箸の使い方と同じで以外に奥が深く極めるのに根気が要ります。相手にうまく動いてもらわないと療法が成立しないからです。

操者の誘導が適切でないと受者が混乱してうまく動けなくなってしまいますし、脱力もうまく出来ない人もいるから、うまくなるには慣れるまで練習が必要です。