筋筋膜の症状について

筋筋膜の症状について

 筋筋膜の歪みや癒着によって発生する不快な症状について、簡単に説明したいと思います。一般的には筋筋膜と言っても、あまり知られていないので、どこから説明したら分かりやすいのか悩むところです。

筋筋膜っていう言葉は、解剖学的な専門用語なので専門家にしか通用しない言葉になります。英語では、Myofascial と呼ばれ意味としては、筋の筋膜のという感じです。辞書で調べると、筋肉を取り囲んだり、仕切ったりしている筋膜についていうそうです。

以前、このサイトで筋膜を説明するのに海苔巻のノリに例えたり、みかんを売るのに使われているネット状の袋に例えて説明しました。今回は、筋筋膜の歪みや癒着によって起こる症状について考えてみたいと思います。

 まず始めに筋膜の歪みについて考えてみましょう。

左図は、制限のない筋膜と歪んだ状態の筋膜を簡単に描いたものです。筋膜は、通路としての役割があるので、歪みや癒着によって通路が狭められてしまうと、間を通る血液の流れにも抵抗を生じさせてしまいます。

左図では、説明のために簡単に描いたので平面図になっていますが、実際には立体的な網状な構造をしています。

その間を無数の血管やリンパ管、神経などが縦横無尽に通過しております。

次は、筋筋膜の癒着について考えてみましょう。

 右図をみると二つの筋肉が黄色いネットに包まれているように描かれています。そして、青色の曲がった線が癒着した個所と考えてみてください。

筋筋膜が癒着した個所が、筋肉を収縮した時に制限となってしまいます。人間は、動物なので筋肉を収縮させて、あらゆる動きを連鎖させ行動します。

そのため、癒着=制限=不快な症状となってしまいます。

 最後に、筋筋膜の歪みや癒着についてもう少し広い範囲で考えてみたいと思います。

左図は、関節をまたぐ筋肉と筋筋膜の癒着について簡単に描いた図です。だんだん見る範囲を広くしていったので、見ればだいたい言いたいことは分かるかなと思います。

先ほどは、癒着=筋肉の収縮制限と説明しましたけど、図に骨を2本入れると筋筋膜の癒着=関節の動きの制限になるという説明も理解しやすいかなと思います。

きついズボンをはいて運動をしたら、動きづらいことは誰でも分かりますよね。

 一部の筋肉に関連した筋筋膜の癒着がひどい場合は、筋肉が短縮してしまいます。その結果、関節の動きにも制限が起こり、ムリな動きが加わると関節にズレが生じる場合があります。

身体の歪みが筋膜の縮みによって起こる理由は、小さな筋膜の歪みから癒着を経て、短縮を起こした結果として、筋骨格系の不正なアライメントになって現れるということです。

筋筋膜の症状についての簡単な説明の予定でしたが、ちょっと複雑になってしまいました。筋筋膜の癒着した部分があると、血液やリンパ液などの体液循環も悪くなり、不快な症状を長引かせてしまいます。

短縮がひどい場合は、骨格に歪みとなって現れて関節の可動制限も起こしてしてしまいます。

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