膝の歪みと痛みについて
よくある気になる足の問題で、膝を動かした時に感じる痛みについて考えてみたいと思います。
ここで説明する膝の歪みと痛みは、一般的に中高年の人がなる変形性膝関節症と言われる膝の関節の間にある軟骨や半月板の変形や、すり減ったことによって発生する慢性的な歪みや痛みではなく、足の歪みで起こりやすい膝の外側の痛みについて考えてみます。
足には、足首の関節と膝関節と股関節の3つの大きな関節があります。足の指も関節ですが説明が複雑になるので省略します。
膝関節を構成する骨は、大腿骨と脛骨と膝蓋骨で作られています。太ももの部分が大腿骨でスネの部分が脛骨になり、2つのつなぎ目の前にあるのが膝蓋骨になります。
左図は、足を上から見たと仮定した図です。左足は、少し斜めな感じになってます。膝蓋骨は、大腿直筋という筋肉にくっ付いて覆われています。
右足は、曲げた状態なので大腿骨と膝蓋骨の関係がイメージしやしやすいかなと思います。
スネの部分は、脛骨と腓骨の2本の骨になってますが、腓骨は脛骨の外側にくっ付いているだけなので、膝の関節の構成には直接関係していません。
膝の関節の作りの説明はこれくらいにして、まずはじめに膝の歪みについて考えてみようと思います。
膝の歪みについて考えるにあたり、最初に考えなくてはならないのは、女性と男性の下肢の形の違いについてです。
右図の左側は、男性の足で右側が女性になります。男性と女性は骨盤の形が違うので、足の形も違っています。男女の骨盤の違いは、他のページでしているのでそちらを参考にしてください。
簡単に比較すると男性の骨盤はバケツ形で、女性の骨盤は洗面器形なので、同じ身長なら女性の骨盤の方が横に広く出来てます。
骨盤から膝までの長さが同じなら、女性の方が大腿骨の角度が大きくなってます。専門用語では、この角度をQ角と呼び、人によって多少の違いがありますが、一般的に男性が12~14度で、女性は16~18度くらいと言われてます。
Q角が20度を超える場合は、異常な状態になります。
X脚の人の場合は、Q角が大きくなっていますが、X脚の説明はこちらのページを参考にして下さい。
ここでは膝の歪みと痛みについて考えるにあたり、左図を描いてみました。足の歪みがひどくなってQ角が大きくなると、膝を曲げたときに、膝蓋骨が外方向に引っ張られる傾向になります。
正常だと膝の部分の大腿骨の外側が内側より大きくなっていることと、大腿四頭筋の内側広筋が内側に引っ張っているので、膝蓋骨は所定の位置で動きまが、歪みがひどくなり内側広筋が弱っていると、膝を曲げた時に膝蓋骨は外側に歪んでしまいます。
この状態が続いてしまうと、膝の外側の部分に炎症が起きて痛みを発生させてしまい、膝が歪んだままだと慢性的な症状になってしまいます。