静水圧と姿勢について
静水圧とは、一般的にあまり聞かない言葉だと思います。私も筋膜リリースをしていなかったら、気にも留めてなかったと思います。
簡単な例で言いますと、チューリップやヒマワリなどの花が立っていられるのも静水圧によってです。チューリップは茎の中を循環する水分の圧力によって、全体を支えているのです。
そして、お風呂の中でも静水圧がかかります。ネットで調べると心臓の弱い人は、半身浴を勧められています。肩までお湯につかると胸部から腕などにも静水圧がかかり、血管が圧迫されて血液がいっせいに心臓に戻るために心臓に負担がかかるそうです。
チューリップの茎の内側にも静水圧がかかっていて、お風呂の中でも静水圧がかかるのは、液体の中ではすべての方向に対して等しい圧力がかかるからです。
人間の身体の内側にも液体成分が多いので、静水圧がかかっています。チューリップが食物繊維のストローなら、人間は皮膚と筋膜の袋のようなものなので、内側の水分によって外側へ圧力がかかります。
そして、人体はテンセグリティー構造と静水圧によって、支えられていると考えられています。人体内部を循環する血液やリンパ液(その他、体液)の圧力と、筋緊張の統合(テンセグリティー)によって立っていられると考えられていいるのです。
テンセグリティ構造の説明は、こちらのページを参考にしてください。
チューリップの静水圧を通して加齢について考えて見ましょう。
静水圧は、チューリップなどの花の茎を立たせる働きがあり、その働きが弱ってくるとポンプ機能の低下によって全体の水分が減少してきます。
その結果、花が傾いてきてしまいます。そして、花はだんだん枯れてしまいますね。
図の左側は、元気な状態(若い)です。右側は萎れた状態(加齢)と考えられるでしょう。
チューリップの姿を人間で例えると年を取って姿勢が悪くなっているような感じにも見えますね。謙虚になって頭を下げているような感じかもしれないけど、内側の水分の低下と筋力の低下が姿勢にも影響がしてきます。
人間が生まれてきたときは、新生児で80%程度の水分が体内にあるそうです。そして、成長するに従い水分率が低下していき、子供のときには70%程度で、成人になると60%程度だそうです。男性より女性の方が筋肉が少なく脂肪が多いので、水分率が5%程度少ないみたいです。
そして、老人になると水分率は50%程度になってしまうようです。水分率は、人にもよると思いますが、年を取ってくるとだんだん減少していくということになります。
年齢とともに、筋力の低下と水分率の減少が姿勢にも影響がしてくるので、気になる人は日ごろから筋トレを続けて、水分の補給を心掛けるようにした方が良いと思います。
身体の中の水分は、重力の影響で脚の方に静水圧が強くかかるので、浮腫みやすい人も下半身の筋トレをして血液やリンパ液の循環を促進することが浮腫みの予防になります。