逆立ちで考えるバランスと筋肉の緊張について

 身体のバランスを考えるときにポイントになることは、どちら側に傾いているかということです。そんなの当り前だと思いますが、自分ではなかなか気づけないことだと思います。

どちらに傾いているというよりは、背中が丸まっていて猫背になっているとか反り腰だとかは、見た目で分かりやすいのですが、全体的なバランスはどうなっているのかということは、なかなか難しい問題です。

 そこで、逆さまになって考えた方が分かりやすいかなと思い、ヨガの逆立ち(頭で立つ)を通して、バランスについて考えてみました。

 まず、イラストの左側が逆立ちがうまくいった状態と考えて下さい。真ん中は、背筋に力が入って背中側にバランスを崩した姿です。そして、右側は、腹筋に力が入って腹筋側にバランスを崩しています。

力が入った(筋肉が収縮した)方向にカラダが倒れてしまうということは、カラダの重みがすべて中心にくるようにバランスを取れば、力が入らない(筋肉が収縮しない)状態で立っていられるということです。

ヨガの逆立ちのコツは無駄な力を抜いて、海中のコンブのようにしていることです。

 ここで、考え方を逆にして普通に立った状態を考えてみてください。
逆立ちで筋肉が収縮した方向に倒れるということは、普通にバランス良く立った状態では腰にもお腹にも力が入っている必要がないと言うことです。

このように考えてみると、太ってお腹の出ている人でもバランスが良ければ、腰痛にならないと言うことです。逆にムリに筋肉トレーニングをしている人に腰痛が多いのにも納得しますね。

 ここまでの説明は、単純に考えるために簡単にしてましたがヨガの頭の付いた逆立ちは、頭と両肘をついた三点立ちになりますが、人が立った状態は二本足なのでバランス的にはもっと複雑になります。

それぞれの脚には、足関節、膝関節、股関節と3つの大きな関節もあり、バランスをとるための動きも複雑なので、筋肉が偏って緊張した場合の歪みも複雑になってしまいます。