カラダのバランスについてシンプルに考える
筋膜リリースや手技療法を行うときに歪みの検査をしてから身体の調整を行いますが、歪んだ部分を調整して全体のバランスを整える必要があります。
部分の調整が上手く出来ても全体のバランスが回復していないとすぐに歪みが元に戻ってしまうときがあります。なので、ここでは身体のバランスについてシンプルに考え方を整理していきたいと思います。
まず初めにバランスについて遊びを通して考えてみます。棒を使っての簡単な実験を思い起こしてください。最初の実験は、砂浜でよくやる棒倒しについて考えてみましょう。
砂浜で棒倒しをやるには、まず棒をまっすぐに砂の山に刺して立てますよね。
この状態で、棒の中心線と重心線が一致していれば棒は立ち続けることができます。そして、順番に両手で砂を取っていきますと、どちらか砂の少ないほうに傾いてきますね。この状態は、棒の中心線から重心線が外側に出た状態です。
もう少しわかりやすくするために、棒のバランスを例に見てみましょう。
上の図は、一本の棒をもう一つの棒で横から下側を支えていると考えて下さい。
左側の図は、棒の重心をうまく支えているのでバランスが取れています。右側の図は、棒の重心より外側にはずれたところを支えているので棒は、バランスが取れずに回転して落ちてしまします。*重心とは、重さの中心です。
上記のことをまとめてみると、重要なポイントは中心線と重心線ということになると思います。下図の上側の円は棒を少し拡大して上から見たところと考えて下さい。
左側は、中心線と重心線が同じところにあって重なっているので棒は安定して立っている状態です。
右側は、中心線(黒丸)から重心線(赤丸)が左側に外れた状態で棒はバランスを失って、左側に倒れていきます。
最後にカラダのバランスについて考えてみましょう。
下図は、人体を輪切りにして上から見たと考えてください。左側の図は、中心線と重心線が一致していてカラダのバランスが取れた状態です。中央の図は、中心線(黒丸)から重心線(赤丸)が左側に外れています。人間は、棒と違って2本足で関節(足首、膝、股関節、その他)がたくさんあるので重心線がずれていても立っていることができます。
でも、そのままの状態でいるとカラダに歪が生まれ、左足が右足より太くなったり、骨盤にねじれが加わって腰痛になったり、バランスを取るのに頭を傾けて生活をしている結果として、筋肉の緊張から肩首のコリになったりします。
*右側の図は、断面積の広い人(太っている)の図です。太っていたり体重が重くてもバランスが取れていれば調子が良いということです。反対にやせていてもバランスが悪いとカラダが不調になってしまいます。
以上、カラダのバランスについてシンプルに考えてみました。ここに筋肉や骨格の歪みのことを説明すると分かりづらくなるので、身体の歪みについてのことは他のページを参考にしてください。