指圧から圧迫法へ 圧縮と牽引について
8Mセラピーの基本手技である指圧と圧迫法の身体に対するアプローチの違いと、筋膜リリースで行う圧縮と牽引について簡単に説明しています。
はじめに圧迫法の説明に入る前に、指圧の説明から簡単にしていこうと思います。皆さんの指圧のイメージは、たぶん指でツボを押すということでしょう。もちろん、指圧なんだから指で体を圧していきます。適度な強さで押してもらうと気持ちいいですよね。
指圧には、いろいろな流派があり指でツボを押すだけの指圧と、経絡という気の流れる線を押して気の流れを整える指圧もあります。体表の反射面を手掌で圧迫しながら、指や手で経絡を圧して気の流れを整える方法も海外では、Zen Shiatsuと言われ人気があります。
指圧の効果を簡単に説明すると、凝っている筋肉のコリをほぐして血液やリンパ液の流れを良くします。
そして、適度な圧は副交感神経の働きを優位な状態に導き、自律神経を落ち着かせリラックスさせる効果もあり、ストレス性の症状にも有効です。その結果、カラダの自然治癒能力が高まり、元気が回復してきます。
ここからは、点から線の指圧と面から立体の圧迫法について考えてみましょう。
まず、基本になるのがツボと言われる体表の反射点になります。
WHO本部では、361個のツボを国際基準として定めています。外国の人は、ツボを番号で覚えています。 (BL 1,ST 2,KI 3,)
361箇所以外の反応点もツボと同様に使いますし、日本と中国ではツボの位置が若干異なったりしているところもあります。
ツボの名前を覚えなくても、関節の周りや筋肉の走向に沿ってツボが沢山あるので、指の感覚が良ければ、ツボを捕まえることは可能です。
次に見ていくのは、経絡と言われる気の流れる線です。経絡は、ツボとツボをつなぎ全身に気を巡らせています。
この経絡も国際基準では、全身14経絡となっております。体の中心の前後に任脈と督脈の2経絡が流れていて、左右を対称に12経絡が順番につながって気が循環しております。経絡を流れている気が滞ると体調が悪くなり、病気になると古代中国では考えられていました。
手の感覚が良くなると経絡を流れる気の滞りを見つけられ、気の流れを改善することが出来るようになってきます。
そして、左図は背中の12経絡の反応部位です。背候診と言われ、お腹の腹証と合わせ経絡指圧では、診断と治療に用いられ、12経絡をそれぞれ面として捉えるところです。
全身を走向する経絡(線)と、お腹と背中の経絡(面)の気の流れの歪みを調えて、治療を行います。施術には、指以外に手掌やヒジを使ってお腹や背中の押圧を行います。詳しい説明は、経絡指圧についてを見てください。
点から線、線から面と見てきましたが、次は次元を変えてカラダを立体として考えてみましょう。
カラダの形を変化させる立体圧迫法!
上記までの指圧は、気血の流れを良くして体調を調えることでしたが、ここではもう一段階、考え方を上げてみたいと思います。基本になる人体の立体的な見方は、筋膜リリース関連のページで説明しているので、ここでは省略します。
私達のカラダの内側は、軟部組織と言われる筋肉と筋膜の塊なので、身体の歪みを整えるために行う圧迫法は、筋肉の走行と階層を知る必要があります。
筋肉がどこからどこまで延びていて、大きさはどのくらいなのかと筋肉が何種類その部分に重なっているのかを考えてから圧迫法を行います。8Mセラピーの圧迫法は、指や手掌、肘、膝などを身体の部位に応じて使い分けて軟部組織の調整を行います。
ツボから経絡に移り、面から立体に考え方を変化していくうちに身体の表層から深層にアプローチを進めて行くことにより、身体の歪みを整えて健康に導くことが出来るようになります。
*上記の考え方を知るには、点から立体思考へのページをご覧下さい。
◆ 圧縮と牽引について
次に圧縮と牽引についての説明をしていきます。筋膜リリースの基本手技は、圧縮と牽引・伸張と捻転になります。ここでは、上記の8Mセラピーの基本手技の圧迫法との対比をするのに、圧縮と牽引の違いについて簡単に考えていきます。
圧縮と牽引について考えるのには、8モーションの動き統合図の真ん中にある線(ライン)が重要になります。このページの上記の説明に合った線は、経絡という身体を流れるエネルギーのラインでしたが、8方向の統合図のセンターラインは、重力のバランス線になっています。
なので、ここで説明している圧縮と牽引は、身体の重さと使った圧縮とバランスを考えた牽引になります。
8方向の動きの統合のページでひとつひとつの動きを説明いたしましたのでここでは、ここでは真ん中のラインについて考えていきます。
8モーションの動きの統合の中心になる動きは、圧迫と牽引です。8Mセラピーの圧迫法と筋膜リリースの圧縮は、身体の押さえ方は似ているのですが押さえている時間に違いがあります。圧迫法は、圧診断も兼ねているので数秒間ですが、筋膜リリースの圧縮は、リリースを目的にして行うので1~2分くらい押さえています。
圧縮と牽引は、反対のテクニックになりますが緊張して歪んだ身体を整えるのには、ケースバイケースで圧縮と牽引の手技を行うと相乗効果を発揮して、筋肉と筋膜の緊張や短縮が元に戻り、姿勢が良くなっていきます。
身体を整えるのに、「押してダメなら、引いてみな」ですね?これで施術効果がグーンっと広がっていきます。
◆ まとめ
8Mセラピーの圧迫法は、気血の流れを良くする治療効果もありますが、圧診断としても筋肉や筋膜の緊張や短縮部位を見つけるのに優れています。なので、その見つかった緊張して短縮した部位を立体圧迫法や筋膜リリースの圧縮と牽引テクニックでリリースすると身体の歪みが整っていきます。
テクニックの詳しい説明は長くなるので省略しますが、8Mセラピーの圧迫法は筋膜リリースと手技の相性が良くて、身体の歪みを整える相乗効果もあるということです。