微分積分的な見方から、点から立体思考について
8Mセラピーの身体の見方、捉え方の基本になる考え方で、8方向の動きの統合と陰陽についてということは説明しているので、今度は、微分積分的なモノの見方と点から立体思考への考え方の変化を説明していきます。
まずは、数学的に微分積分を通して全体観について考えて見ましょう。はじめに微分積分の簡単な考え方の復習をします。
◆ 微分と積分は、逆の関係になる。
1.微分とは、接線の傾きを求めること。速度など目に見えない抽象的なモノを求める計算。
積分とは、面積・体積を求めること。面積・体積などの結果が目でわかるモノを求める計算。
2.微分は、微かく分けて分析すること。無限に小さな区間に対する変化の割合を扱う。
積分は、分かれたモノを総合すること。無限に小さな変化から全体を作り上げる。
3.微分と積分は、足し算と引き算のような表と裏の関係にある。
上記の説明では、なんだかよくわからないとので思うので、東洋思想の陰陽と指圧の練習を通して、微分積分の関係で考えてみます。
◆ 陰陽と微分、積分の関係。
東洋医学では、手の脈の状態を陰陽で調べ(脈診)、体全体の健康状態を診断することをしています。
これは、まず部分を分析してから、全体を考えていくということです。脈の変化を微分して、思考において積分して体全体の健康状態を診断するということは、とても数学的な考え方だと思います。
◆ 微分・積分的な指圧の練習。
ツボしか考えないで指圧をするのと、積分的な見方で体全体の使い方を工夫して指圧をするのでは、効果が違ってきます。初心者の人は、ツボ(指先)に意識しすぎて体の使い方を考えずに指圧をするので、すぐに疲れてしまいます。
はじめにしっかりとツボの位置と押し方、そして身体の使い方を一緒に覚えると疲れずに効果のある指圧が出来るようになります。
今度は、点から立体思考へ変化を追って見て行きましょう。
まず、17世紀のイタリアの数学者、カヴァリエリが考えた原理から始めます。
◆ カヴァリエリの原理
「線は無限の点からできている。また、面は無限の平行線でできている。さらに、立体は無限の並行平面でできている。」
という図形の見方を明確にしました。
このことは、当たり前のようですが考え方を分けて見るにはすごく重要な視点になります。・・・・・・点が集まったら、——– 線になり、線が積分されたものが面になって、面が集まれが立体になる。
今の時代は、立体の人体を輪切りにして面として診れる(CT,MRI)ようになったんだからすごい時代ですね。
◆ 東洋医学的な見方の変化
東洋医学では、まずツボ(点)を覚えて経絡(線)を学びます。経絡の数が増えるごとに体全体が面として見えてきます。そして、経験を積むにつれて、体を立体的に捉えることができるようになっていきます。
柔術などから活法として整体を始めた人は、体を立体的に捉えているので順番が逆になるかも知れませんね。でも、普通の人が東洋医学を学ぶには、ツボから始めたほうが覚えやすいのではないでしょうか。