気血の流れと身体のバランスについて
身体の健康を考えるときに東洋医学では、気血の流れが滞ると健康が損なわれると言われております。ここでいう気血とは、一般的じゃないのでわかりずらいですけれど気とは元気の素になるエネルギーと考えてみてください。
そして、血とは血液と考えてみると動脈血は酸素と栄養素を身体の細胞に運んで、静脈血は二酸化炭素や老廃物を運んで除去する働きをしています。東洋医学では、気と血は陰陽の関係になっていると考えられています。
その気の身体に流れる道を経絡と呼んでいます。経絡には12ルートの正経と8ルートの奇経があります。一般的な治療では、12正経と奇経の中の任脈と督脈を使って、14経絡の流れを調える治療が行われています。
12経絡を流れる気の流れは、肺経から始まり大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、心包経、三焦経、胆経、肝経と順番に一周して流れています。
気/エネルギーの流れと経絡の関係というページで、簡単に気の流れについて説明しているので、そちらを参考にしてください。
気の流れは、手足の末端で他の経絡につながり折り返して、陽経は顔面で他の経絡とつながり、陰経は胸腹部で内臓に流れて他の経絡につながっています。
ここでいう陽経と陰経は、12経絡を陰陽で分けて日の当たる側を陽経として、日陰になる方を陰経とされています。
経絡とは、英語でメリディアンと言われ、地球の子午線と同じ言葉が使われています。たぶん中国から東洋医学が伝わった時に経絡という言葉を訳すのに当てはめられたのかなと思います。
日本でも西洋医学が伝わった時に内臓を表す言葉を東洋医学から流用したので、東洋医学の肝心脾肺腎などの漢字が使わて一般化されたので、東洋医学的な診断に使う臓器の説明が分かりづらくなったように思います。
東洋医学でいう臓器を流れる気について、エネルギー的な見方で虚実を判断していても、聞いた方は腎臓が悪いのかなとか思ってしまう場合があるからです。器質的に悪い場合もあるかもしれませんが、それは病院で調べることで、機能的にエネルギーの流れが不足している場合に使われるだけで、腎が虚していますねということになっています。
そして、東洋医学では腎が虚している場合は腎経を補って、全身の気血の流れを調えて健康に導くことを行っているのです。
ここからは、気血の流れと身体のバランスについて簡単に考えてみたいと思います。気血の流れが滞ると筋肉に収縮力が低下して身体のバランスが崩れてしまいます。身体のバランスが崩れてから気血の流れが悪くなるのか、どちらが先になるのかはケースバイケースだと思います。
筋肉にコリが出来て気血の流れが悪くなっていると仮定してみると凝り固まって脹れて短縮している方が東洋医学的に実していると捉えて、収縮力が低下している方が虚していると考えられます。
東洋医学的な手技では、虚実を補瀉(ほしゃ)するのが原則として気血の流れを調えてバランスを回復させます。
身体が疲れて筋肉にコリや緊張が発生した場合に身体の一部分の筋肉の緊張が連鎖して、他の部分にも緊張が伝わっていきます。そして、筋肉と筋膜のつながりを通して全身に緊張が伝わるので、全体的な身体のバランスも崩れてしまうのです。