経絡指圧 / Zen shiatsu についての簡単な説明
経絡指圧とは、東洋医学で使われている気の流れるライン(経絡)を指圧の手技に応用した療法です。
故増永静人氏が従来の指圧から東洋医学の理論を基にして体系づけた独特な指圧法になります。1974年に「指圧」という著書が医道の日本社より発刊され、その後「Zen shiatsu」として英訳されました。
日本国内よりも、海外での方が Zen Shistsu と呼ばれ、東洋思想に憧れを持つ治療師によって、北米、ヨーロッパなどで広く行われております。
ここでは、気/エネルギーの流れと健康について簡単に考えて行こうと思います。
まず、始めに気/エネルギーの流れるライン(経絡)について考えてみましょう。
左図は、ハーフスケルトンの経絡と5行説の臓腑の関係を簡単に表した人体図になります。*増永式の経絡図とは違います。
基本的な東洋医学では、正経12経脈に任脈と督脈を入れて14経絡として説明している本が多いのですが、増永式の経絡指圧では正経の12経絡を使いカラダを流れている気/エネルギーの流れを調整します。
経絡指圧では、五行説も使用されていませんが、気/エネルギーの循環を考えるのに必要なので左図には入れてみました。
気/エネルギーの流れと経絡の関係は、すでに他のページで説明しているので省略しますが、12本のライン(経絡)を流れている気/エネルギーの過不足が健康に影響し、そのバランスの崩れが病気の原因として東洋医学では、古来より考えられていました。
話をもとに戻して、気/エナルギーの循環について考えてみましょう。12本のライン(経絡)は、人体を左右対称に流れていてカラダの内側で関連した臓腑につながっています。*臓腑の説明は省略します。
その臓腑は、五臓六腑と言われて5つのカテゴリーに分けられています。カラダの内側の臓腑の気/エネルギーがカラダの外側の12本のライン(経絡)を循環しているので、経絡を流れる気/エネルギーの過不足を経絡指圧で調整すると自然治癒力が働きやすくなり、その結果として健康になると考えています。
左図は、経絡指圧で使われている腹証の図を簡単に描いたものです。
12経絡に対応した12箇所の診断部位になります。*左右対称の処あり
東洋医学といえば思いつくのが漢方薬や針灸治療ですよね。漢方や針灸では、手首の脈を診る診断法の脈診が主流ですが、経絡指圧では切診といわれる技法でお腹や背中の12経絡に対応した部位の気/エネルギーの過不足を診断して、即治療が行われてしまいます。
指圧は、もともと診断即治療と言われ、診断と治療がワンセットで同時に行われる療法なので、経絡を使った気/エネルギーの調整の経絡指圧にも応用されたようです。
経絡指圧の具体的な気/エネルギーの調整法は、陰陽両手操法と言われる両手を使った調整法が特徴です。
左図のように両手を使って気/エナルギーの流れを調整します。片方の手を動かさない(陰)で下腹部を支えて、もう一方の手で足の経絡を手掌圧(陽)しながら気/エネルギーの流れを良くしていきます。
専門的には、虚実を補瀉する東洋医学的な技法になりますが、ここでは簡単な説明をこころがけているので、もっと興味のある方は参考文献を読んでみてください。
以上の簡単な説明では、わかりづらいと思いますが気/エネルギーがカラダの内側と外側を循環しているんだなと思うことぐらいは出来ますね。
その気/エネルギーの循環がスムーズなら健康で、どこかで滞ると不健康になり、もとに戻らなければ病気になるということです。
東洋医学的にみると気/エネルギーの流れを良くするのに漢方薬や針灸治療などもありますが、病気までならない状態の未病では、手当て(経絡指圧)が一番安全で身近な健康法だと思います。