筋膜に対してのアプローチについて
この頃(2015年記述)、筋膜という用語が雑誌とかにも載るようになって、筋膜リリースという専門用語もネットで見ると、スポーツ系からエステ系まで幅広く使われているようです。
筋膜リリースは、もともとアメリカで始まり主に治療系で行われていた技術です。アメリカでも色々な流派の人達が行っているので、どれが良いかというのも個人の考え方によって違ってきます。
ここでは、筋膜に対してのアプローチについて考えてみたので、簡単なイラストを入れて説明していきます。
筋膜いう用語の説明は、他のページでしているので、アプローチの仕方を簡単に説明しようと思います。
筋膜をリリースするためのアプローチで、まず始めに考えることは、どの部分の筋膜に対してアプローチするかです。表面の筋膜なのか深部の筋膜なのかで、アプローチは変わります。
左図は、深部と表面の筋膜にアプローチしているようすを描いています。肘を使って体重をかけてゆっくりと行うと、深部まで圧が届くので、深い部分の筋膜の緊張を緩めることができます。
手の平を使った方では、あまり体重をかけてないので表面の筋膜にしか圧が届いていません。
表面の筋膜に対してウォームアップ的に行うなら、下記に紹介している棒がお勧めです。アメリカでは、スポーツを行う前や後に筋肉のケアのために使っている人が多くいます。
上図では、手の平を使って行っている方が表面の筋膜に対してのアプローチになっていますが、それは身体に当たる面積が広いのと重さがあまり掛かっていないためです。
手を使った方法でも右図のように指を立てて身体の下に入れた方法では、深部の筋膜にも時間と共に圧が掛かっていきます。
上図は、うつ伏せの人に上から行っていると仮定しています。そして、右図では仰向けの人に対して手を下に置いたと仮定しています。
右図では、手を使ってますが指を立てているので、身体に当たる面積が狭くなり、相手の身体の重さで圧が深部に浸透していきます。
指が丈夫じゃないと相手が重い場合は、圧が深部に浸透する前にギブアップになってしまうときもあります。
右図の丸は、ストレッチポールやボールを使った場合のようすを描いてます。
今までの説明で分かったと思いますが、ポールを使った方法では身体に当たる面積が広くなるので圧が表面に均等に伝わってしまい、深部の筋膜の緊張には届きづらくなります。
そうなると身体に当たる面積を狭くして持続的に圧をかける必要があるので、ポールよりもボールの方が当たる面積は狭くなり、使い方しだいでは深部の筋膜の緊張を緩めることができます。
下に紹介しているのは、アメリカ製のマッサージ用のボールです。テニスボールもよく使われています。
上に乗ってコロコロ動けば、圧が浸透しないので表面の筋膜が緩み、30~90秒動かないで圧が浸透してからずらす(滑らす)ように動くと深部の筋膜も緩んでいきます。