慢性筋肉疲労について
私が慢性筋肉疲労という言葉と聞いたのは、ずいぶん前の話になりますが、筋肉疲労が病気の原因だった!?―驚異の触手療法という本を読み知りました。そして、1995年に福増氏(故人)の講習会に一度参加してみました。
当時の私はまだ若かったので、あまり疲労で困ってもいなかったので、慢性筋肉疲労のメカニズムには興味がなく、触手療法というものがどのような治療法なのか見たくて東京にあった全生医療道場というところに行きました。
前半が福増氏の講話でしたが、心臓外科医の経歴があり、アメリカで人工心臓の研究に携わっていた方だったので、心臓と血液循環の話が当時の私にはちょっと難しく感じました。
そして、後半に実技の時間がありましたが、2人組になって筋肉と解すのですが決まった方法はなく、福増氏が講習生の筋肉を解している様子を見ましたが、指圧をやっている私には、指圧や按摩とどう違うのかが見ただけではわかりませんでした。
私が講習を受けた当時は、医師を辞められ得度された後だったので頭を丸められていて、作務衣を着ていました。大きな手で前頚部の筋肉を解している姿が印象に残っております。
あれから何年も経ち、自分の筋肉の疲労がなかなか回復しなくなったのと、施術を受けた方の回復速度に差があるので、慢性筋肉疲労について考え直してみることにしました。
◆ 慢性筋肉疲労のメカニズム
福増氏の仮説による、慢性筋肉疲労による病気の原因は大きく分けて2つあります。
自律神経の誤作動と血液・リンパ液の鬱滞(うったい)による病的症状の発生になります。ここでは、循環系の異常について考えてみたいと思います。
左図は、筋肉が疲労して硬くなりリンパ管を圧迫してリンパ液の流れが鬱滞した様子を描いたものです。
心臓がポンプ役となって流れてくる血液は動脈血と呼ばれ、酸素や栄養素を全身の各組織の運んでいます。末梢部分で毛細血管となり筋肉に入り込んで酸素や栄養素を供給して、こんどは二酸化炭素や老廃物を受け取って静脈を通って逆流(還流)されます。
毛細血管の部分で、血液成分のうちの水性の血漿(組織液)が血管からにじみ出ます。組織液が酸素や栄養素を各細胞に供給して、二酸化炭素や老廃物を血管に戻す調整役をしているそうです。
役割を終えた組織液や余剰の組織液がリンパ管に入りリンパ液になり、胸部や鎖骨下で静脈に吸収されます。
*リンパの役割は、排泄機能と免疫機能があります。リンパの流れが滞ると、余分な水分や老廃物、毒素が体内に蓄積さて、免疫機能や栄養素の取り込みが異常になり、むくみや体調不良の原因になります。
動脈血が心臓のポンプ作用で流れるのに対して、静脈とリンパ管は骨格筋の収縮作用がポンプの役割をしているため筋肉が「第二の心臓」と呼ばれています。
その筋肉が慢性疲労になって硬くなった状態になると上記の理由から体調不良や病気の原因になってしまうということです。
慢性筋肉疲労を起こす原因で問題になるのが、精神的ストレスによる筋肉の緊張です。健康に生活するには、なるべくストレスを溜めないようにしましょう!
* 静脈を通って流れてきた二酸化炭素は肺でガス交換されて酸素を吸収して動脈を通って還流されます。老廃物は、腎臓で濾過されて膀胱を経て尿となって体外に排泄されます。