筋膜リリース 方法の違い

筋膜リリース 方法の違いについて

 最近、以前より筋膜のことについて雑誌の記事になったり、筋膜関係の本も翻訳されたものが多くなったので、筋膜リリースという言葉も少しだけ知られてきているように思います。

ところが言葉が知られてくると筋膜リリースがなにか一つの特別なもののように受け取られ、刺激の弱いストレッチと思われたり、圧迫ふうのマッサージのように思われたり、ギューっと強いほぐし系の手技のようにとらえる人もいるでしょう。

アメリカでも下記に紹介している本の著者が1991年出版当時、序文で「いつも筋膜リリースという用語にまつわる混乱した状況に出会います。多くの方々が筋膜リリースについて、それぞれ個々の考えを教授しています。」と書かれてます。

日本と違って筋膜に対する手技療法の種類が多いのと、それだけ筋膜が身体の構造や健康に関係しているということからです。

 左図は、筋膜の説明によく使われているグレープフルーツを簡単に描いたものです。

筋膜の例えが果肉を包む房の部分で、左図では手前の果肉が緊張してとなりの果肉と接している部分の房と表皮の内側の部分の房が癒着したと考えた図です。

グレープフルーツは、房同士が癒着しても人間と違って動かないので異常を感じづらいと思いますが、人間は動物なので動いたときに癒着した部分が引っ張られたりして、痛みや違和感を感じたりします。

仕組みとしては、筋肉が収縮して関節を曲げたり伸ばしたりして動くので、隣同士の筋肉を包む筋膜の癒着は違和感の原因になります。

グレープフルーツの図を見てから、右図の足の輪切りの図を見ると少し似てるかなって感じですよね。

お互い肉が膜に包まれていて、外側を表皮で覆われているから作りは同じかな。違いとしては、動物である人間は内側に骨が入っていることです。

 筋膜の説明はこれくらいにして、筋膜リリースの違いについて考えてみたいと思います。言葉としてとらえれば、筋膜のリリース(解放)だから別に違いがあるわけではないけど、やり方が違うとリリースする方法が少し違っているので簡単に説明いたします。

筋膜リリースと言われるものを大きく分けると、一つはジョン・バーンズ氏が創始した筋膜リリースです。アメリカでは理学療法士やマッサージ師の間に広まっています。二つ目はロルフィング系の筋膜リリースで、ロルフィングを学んだ人たちがテクニックとして教えています。

3つ目は、オステオパシーの数あるテクニックの中で筋膜の障害に対して行われている筋膜リリースです。

ロルフィングやオステオパシーという言葉を知らない人もいると思いますが、アメリカでは大きく分けて3つのカテゴリーに含まれる人たちが行っているということです。

最後に筋膜をリリースするやり方を簡単に分けてみると、アプローチする強さや方法、部位に分けて考えてみることができます。

筋膜リリースのやり方は、施術者の考え方や経験、患者の症状によって、身体へのアプローチの仕方は異なってきます。

筋膜リリースの直接法と間接法の違いは、こちらのページを参考にしてください。

*上記の説明は、当院で行っている筋膜リリース講習用に以前作ったものです。

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