背中の筋肉と筋膜について
先日、背中の指圧をしているときに受けている人から、そこは菱形筋ですか?と聞かれ、脊柱起立筋だったので、そのように答えましたが背中には沢山筋肉があるので背中にある筋肉について考えてみました。
上記の質問の答えでも、肩甲骨の間で表面に近いところが凝っていれば、菱形筋でもよいのですが背骨に近くて深い部分なら脊柱起立筋が凝っているとなります。
施術中にあまりマニアックな筋肉系の解剖学を言っても仕方ないので、背中にある筋肉と筋膜について簡単にまとめてみました。
解剖学を何も知らない一般の人は、背中の筋肉の数なんて1つか多くても5種類ぐらいかなと思うでしょう。
左図は、浅い層の背中の筋肉を簡単に描いてます。右下の表には、背中の表面から深部までの筋肉を順番にまとめてあります。
普通の人が想像するよりも種類が沢山あると思います。左図だけでも、左側の上側が僧帽筋で下側が広背筋になり、隙間に見える肩甲骨に付いているのが菱形筋です。
この3つの筋肉は、背中にある上肢筋で腕の動きに関係してます。下の表で水色部分のグループです。
もう一つの上肢筋は、肩甲挙筋もありますが僧帽筋の下側で、肩甲骨から首の方に延びているので、背中の表なので省略してます。
背中がどこからどこまでか考えると腰よりも上の部分かなと考えるのですが、右表では首から下の部分の肩から腰までにしてます。
話を元に戻して、背中の筋肉と筋膜について表を見ながら説明していきます。背中の皮膚から順番に考えると、皮膚も表皮と真皮に分かれ、その下に皮下脂肪があります。
皮下脂肪の下に浅背筋膜がありますが、ステーキを食べると分かると思いますが、肉と脂肪はくっついていて剥がしづらいですよね。なので、人間も皮下脂肪と表層筋膜の接地面が密になっています。
浅背筋膜の下側に先ほど説明した、僧帽筋と広背筋と菱形筋の腕の動きに関係した筋肉があり、その下側に上後鋸筋と下後鋸筋が背骨から肋骨に延びています。
そして、後頭部から下に延びてきた項筋膜が僧帽筋や菱形筋の下側を通って、胸腰筋膜に続いています。
胸腰筋膜(浅葉)の下側に脊柱起立筋などの固有背筋があります。
脊柱起立筋は、背中にある長い筋肉で外側から、腸肋筋、最長筋、棘筋がグループになって脊柱起立筋と言われています。
その下側に半棘筋と多裂筋があり、深部の短い筋肉が背骨に付いている、回旋筋と棘間筋と横突間筋になります。
そして、腰椎の肋骨突起などから起こっているのは、胸腰筋膜(深葉)で身体の内側と隔てています。深部の背中の筋肉は、胸腰筋膜の前葉と深葉に包まれたソーセージのような感じで、その上にハムのような上肢筋が重なっている感じです。
身体の内側の筋肉は、表にある肋間筋、横隔膜、大腰筋などです。
背中の表面から順番にみていくと沢山の筋肉が重なっていて、人によって身体の使い方も違い、凝り方や痛みや違和感を起こす突っ張り感も違うので、筋膜をリリースする方向は状態により多様になります。