ファシアと治療法について

ファシアと治療法について

 ファシアの説明をする前に少しだけ筋膜リリースということについて考えてみました。

この頃、筋膜リリースという用語が一般的になり、ネット通販などでも筋膜リリースという言葉を入れて説明されているのを多く見るようになりました。充電式のマッサージガンなどでも、筋膜リリースに良いと謳っているので筋膜という用語は、なんとなく普通の言葉になってきているように思います。

2015年くらいまでは、筋膜リリースとうい用語も新しい言葉だったのですが、月日が流れて2020年の今ではあまり新しさを感じませんね。ファシアという用語は、将来にどのように浸透していくのか分かりませんが、カタカナ語だから知らないとイメージがしにくいかなと思います。

それでは、ファシアについて簡単に説明していきます。
このリンクしている本によると Fascia という用語が正式な体組織の用語としてWHOで記載されたのが、2018年6月だそうです。日本では、ファシアというカタカナ語が2019年4月に一般社団法人日本整形内科学研究会で、形態と機能の両方を合わせて「ネットワーク機能を有する『目視可能な線維構成体』」と再定義されたそうです。

なので、ファシアとうい用語は、すごく新しい言葉になります。外来語なので、膜とか筋膜とかというよりもファシアとして定着した方が分かりやすいかなと思います。2015年の出版の本では、英語では Fascia なのに膜・筋膜というタイトルになっています。
なので、筋膜とファシアは違うものではなく、ファシアという用語の大きな枠が出来たということです。上記にリンクしたファシアという本は、いろいろな説明をしていて分かりやすくて興味がある人にはお勧めです。

ファシアについて、簡単に考えると筋肉関係のファシアが筋膜として捉えると分かりやすいと思います。そして、内蔵関係の腹膜などは、インナーファシアと考えるとなんとなく分かるかなと思うし、神経関係のファシアは、硬膜や神経上膜などもファシアの一部になります。

ファシアが筋肉と内蔵と神経をすべてを包んでいるということです。20世紀の解剖学では、死体をバラバラにして考えていたので、隙間にあるファシアは不要なものと捉えられていました。21世紀になってからは、科学の進歩と共に生きている人間の体の中が良く見えるようになったので、ファシアが原因不明の痛みの原因になっているということが分かってきました。

ファシアの治療法については、上記のファシアの本では海外で行われている11種類の治療法が紹介されています。当院では、ファシアの治療に本で紹介されている鍼治療とジョン・バーナーズの筋膜リリースアプローチを主に行っております。

ジョン・バーナーズの筋膜リリースアプローチは、アメリカで大変有名な徒手療法です。私も1997年にアメリカでセミナーを受講してから20年以上もやり続けています。私のように若いときに交通事故で、外傷性のファシアの歪みがある人には、ジョン・バーナーズの筋膜リリースアプローチは身体の歪みを根本的に直すので、痛みや不快な症状で悩んでいる人にはお勧めです。

 

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